ウクライナ情勢が一段と緊迫化したことを受け、22日の東京市場では投資家がリスクを回避する動きが強まった。
日経平均株価は一時、前日終値から600円超下落して4営業日続落。一方、商品市場では安全資産とされる金は現物、先物ともに連日で最高値を更新し、ロシアからの供給不安が高まった原油も急伸した。
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派の独立を承認し、軍の派遣も決定した。これに対し、米国は親ロ派支配地域で米国人による新たな投資や貿易を禁じる制裁を発動。
欧州連合(EU)もロシアに制裁する方針を表明し、ウクライナ情勢は重大な局面を迎えた。
東京株式市場では、日経平均の終値が461円26銭安の2万6449円61銭。市場では「ウクライナ情勢の悪化で世界的に株売りの動きが広がった。
緊張状態は簡単には解決しないだろう」(中堅証券)と先行きを警戒する声が多かった。
中でも、半導体などの輸出規制に日本政府も参加する方向で調整に入ったと報じられたことを受けて、半導体関連株の下落が目立った。
金の現物は販売大手、田中貴金属工業(東京)の税込み小売価格が1グラム当たり7791円、大阪取引所の金先物は取引の中心となる12月物が夜間に一時7042円に上昇。それぞれ最高値を塗り替えた。
東京商品取引所の中東産(ドバイ)原油先物は7月物が一時、1キロリットル当たり前日比2370円高の6万2350円まで高騰した。商品市場では「先行き不透明な状況が続けば、金、原油価格は一段高になる可能性がある」(インターネット証券)との見方が出ていた